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私の身長は162センチ。
ゴルフは社会人になってから始め、
特に運動経験がある訳でもない、ごく普通の月イチゴルファーです。
さらに、体格的にも運動能力的にも、私に光るものは何もありません。
いえ、正直に言いますと、運動は苦手です。
それでも、私は1年後、コンスタントに80台で回り、
時には70台も出すことが出来ました。
練習場でがんがんがんがん打ち込む練習は
生まれてこのかた一度もやった事がありません。
ベストスコアは2アンダー。
18ホールトータル“70”を記録する事が出来ました!
以前では想像すら出来ませんでしたが
今では、研修生やプロ崩れの方とラウンドしても
勝ったり負けたりで競り合いながら楽しいゴルフが出来ます。
通常、このスコア帯のプレーヤーで、
私ほど練習しないゴルファーは他にいません。(笑
また、私ほど運動経験のない人も見かけません。
そして、実は屈辱の初ラウンドを憶えています。。。
私の初ラウンドは、“楽しいゴルフ”どころか
実は一生忘れ得ぬ、悲しみに満ちたなものでした。。。
初ラウンドは、仕事の関連で、あるゴルフ場の支配人と一緒でした。
ラウンドの予定が決まったので、一応、練習はしましたが、
闇雲な付け焼刃などが通じるはずもありません。
それでも、私は、ゴルフをなめていましたので、
まあ、ヘタでもそこそこ何とかなるだろうと思っていました。
朝早く家を出て、同僚のHと二人で車でゴルフ場に向かいました。
すがすがしい朝の空気。
これから起こる悲劇の予感は微塵もありませんでした。
私は、生来楽観的なところがあり、
不幸を予知する能力に欠けているのかも知れません。
車は、やがて、静かにゴルフ場に到着しました。
支配人には仕事で何度も面識がありました。
いつものように優しい笑顔で迎えて下さいました。
私:「おはようございます。いよいよ、今日が初のゴルフデビューです。
ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いいたします。」
数十分後から、本当に計り知れぬ“ご迷惑”をお掛けする事になろうとは
不幸の予知能力に乏しい私には想像できませんでした。
支:「大丈夫ですよ。一緒に周るHさんもベテランですし。
楽しんでください。」
(そうだよな。ヘタなりに楽しませてもらおう。)
そんな私の、甘い考えは最初の記念すべきティーショットで
簡単に打ち砕かれました。
練習場での球スジから、スライスが予想されました。
私は、やや、左方向に目標をとり、しっかりとスイングしました。
いや、したつもりでした。
自分では意識がありませんでしたが、緊張していたのでしょう。
体が思い切り開いたようで、ボールはクラブヘッドの先っぽに当たり、
右のラフへゴロ。。。
支:「はは(笑。
ドンマイですよ。楽に行きましょう。」
ところが、悲劇はまだ始まったばかりだったのです。
第2打は、やはりスライスが予想されたので、
狙うべきフェアウェイの左方向に狙いを定めました。
“願い”というより、“祈り”を込めたショットは
無情にも今度も先っぽに当たり、ほぼ右の真横へ飛び出し、藪に入りました。
申し訳ない事に、支配人にも分け入って探させてしまいましたが、
おそらく、OB杭を超えたであろうボールは見つかりませんでした。
記憶があいまいですが、
たしか、初のホールアウトは、13〜16打位だったと思います。
そして、私は、あろう事か全く回復することなく、
次のホールも、その次のホールも、
ずっとずっと、2桁のスコアを続けていったのです。
その間、同僚Hはフェアウェイの上を支配人と歩き、時折、私を気遣いながら、
支配人と世間話をしながら大人のゴルフをしていました。
支配人は私のショットに笑顔を送り続けて下さいましたが、
その笑顔は、段々と質の違う笑顔になっていきました。
私のせいで前の組にも遅れ気味で
キャディーさんも見かねて私をせかします。
私は、申し訳ない気持ちと情けない気持ちで一杯でした。
そして、今も忘れ得ぬ一言を、支配人から投げかけられました。
「芝原さん、もう数えなくていいよ。」
私: 「 ・ ・ ・ 」
これが、私の初ラウンドです。
あまりにもヒドイので作り話のようですが
本当の話です。
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